2014年3月6日木曜日

ローマのトラバーチン

最近は制作ばかりでアトリエでのネタしかないのですが、石割り第三弾です。

CIMG5769.jpg

今回の石はベージュのトラバーチン、ローマ近郊で取れる多孔質の石灰岩です。
コロッセオやトレビの泉など、ローマの多くの建造物がこの石で出来ています。
とてもドラマチックで僕の大好きな石です。
以前赤いトラバーチンを割ったときにもブログで書きましたが

http://terramono.seesaa.net/article/299603017.html

赤色同様に真っ直ぐ割るのが少し難しい石材です。
今回は厚みもあるので慎重に、普段あまり使わないセリ矢を使います。

CIMG5768.jpg

ドリルで開けた穴にこの3パーツからなる矢を入れて叩いていく道具です。

CIMG5772.jpg

垂直を見ながら50cm厚の石材に45cmくらいずつ一列に穴を開けていきます。

CIMG5774.jpg

端まで開けたらこのように向きをそろえて差し込んでいき順番に叩いていきます。

CIMG5777.jpg

開きました。
横から見ると

CIMG5778.jpg

しっかり下まで割れています。
断面はこんな感じです。

CIMG5780.jpg

ここまでは順調ですが問題はここからです。
今度は水平方向、気泡の層と同じ向きに割っていきます。
層と同じ向きに割るのだから簡単そうに思えますが実は
気泡が多い箇所等、もろい方へ割れ目が逃げてしまい狙ったラインで割るの難しいです。
作業しやすいように石の向きを変えてありったけの道具で方向をガイドしました。

CIMG5784.jpg

上からセリ矢、両サイドからは平矢という初の試みで挑みます。

CIMG5785.jpg

一見綺麗に割れたように見えますが途中からドリル穴と違うところで割れています。

CIMG5786.jpg

これで数センチのロス、見越していたので問題はありませんが
そもそもロスを見越して割っている時点で負けている気がします。
まだまだ修行が足りません。