2014年3月6日木曜日

ローマのトラバーチン

最近は制作ばかりでアトリエでのネタしかないのですが、石割り第三弾です。

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今回の石はベージュのトラバーチン、ローマ近郊で取れる多孔質の石灰岩です。
コロッセオやトレビの泉など、ローマの多くの建造物がこの石で出来ています。
とてもドラマチックで僕の大好きな石です。
以前赤いトラバーチンを割ったときにもブログで書きましたが

http://terramono.seesaa.net/article/299603017.html

赤色同様に真っ直ぐ割るのが少し難しい石材です。
今回は厚みもあるので慎重に、普段あまり使わないセリ矢を使います。

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ドリルで開けた穴にこの3パーツからなる矢を入れて叩いていく道具です。

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垂直を見ながら50cm厚の石材に45cmくらいずつ一列に穴を開けていきます。

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端まで開けたらこのように向きをそろえて差し込んでいき順番に叩いていきます。

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開きました。
横から見ると

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しっかり下まで割れています。
断面はこんな感じです。

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ここまでは順調ですが問題はここからです。
今度は水平方向、気泡の層と同じ向きに割っていきます。
層と同じ向きに割るのだから簡単そうに思えますが実は
気泡が多い箇所等、もろい方へ割れ目が逃げてしまい狙ったラインで割るの難しいです。
作業しやすいように石の向きを変えてありったけの道具で方向をガイドしました。

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上からセリ矢、両サイドからは平矢という初の試みで挑みます。

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一見綺麗に割れたように見えますが途中からドリル穴と違うところで割れています。

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これで数センチのロス、見越していたので問題はありませんが
そもそもロスを見越して割っている時点で負けている気がします。
まだまだ修行が足りません。

2014年2月16日日曜日

大雪のあと

2週連続の雪で週末退屈された方も多いかと思います。
ここ霞ヶ浦でも沢山降りましたが東京より随分早く雨に変わりました。
しかし台風のような横殴りの大雨で
先週に積もった雪まで溶かして庭は洪水のようでした。
普段水のない石の川も氾濫寸前まで水位が上がり

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下流を細くしたこともあって濁流と化していました。

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しかし雪が溶けてくれて一安心です。
アトリエの屋根も雪の重みでかなりしなっていたので作業中不安でした。
今朝は日の出前から空が綺麗で、晴れた一日になりそうです。
朝焼けを背景にまだ消えてない外灯を見るとやる気がみなぎるのは僕だけでしょうか?

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2014年2月6日木曜日

鳥からの贈り物

今年に入ってから7月の個展へ向けて家とアトリエの往復を繰り返しています。
まるでイタリアに居た頃のような生活で
制作がはかどる反面、社会と断絶したような不安を感じ続けなければなりません。
そんなある日の朝、カバーをし忘れた制作中の作品に鳥がフンをしていました。

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ここは自然豊かで沢山の鳥がいるので年に数回は被害に遭います。
大理石は吸水性が高く油や色のある液体が付いたら即処理しないと大変です。
怪我をしたときも傷よりまず石に血が付いてないかを心配します。
このフンは付着してから数時間は経っているようで
表面を少し磨いたくらいでは取れないほど色が入っていました。
ひとしきりそこらの鳥に文句を言ったら、あきらめて作品の形を変えるしかありません。

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いったい何を食べているのか、5mmほど削ってもまだまだ緑色が出てきます。
悪態をつきながらもフンに導かれるままに削っていきました。

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まあ、今回は鳥に感謝してもいいかもしれません。
自分ではやろうとも思わなかったであろうアクセントになりました。

2014年1月13日月曜日

新年

明けましておめでとうございます。
皆様本年もどうぞよろしくお願いいたします。
僕もとうとう今年で40歳、帰国して10年、
大きな節目の年と思い7月に久々の東京個展を開くことに決めました。
近くなりましたらまた詳細をお知らせいたします。
よろしくお願いします。

しかし寒いですね!!
夏は暑い暑いと連呼し、冬は寒い寒いと言って回る自分が愚かしいですが
最近ここかすみがうら市は本当に寒いです。
僕は石の仕事を屋外の北側の日陰で行います。
直射日光で石の形が見えにくくなるのを嫌ってなのですが
日の届かない北面の寒さは瞬時に手先の感覚を奪っていきます。
特にエアーの工具は圧縮空気でボディーが凍り手袋がへばり付くほどです。
昔の石の彫刻家はそれでよく凍傷になっていたそうです。
そんな訳でこの冬2つのニューアイテムを導入しました。

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一つ目は廃材を利用して自作した焼却炉です。
薪は山ほどあるので燃やして時折手をかざしてます。

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2つ目はミトンです。
各指が独立した手袋ではどんなに分厚くても凍えた指が再加熱しません。
作業しやすいように指ギリギリまで余計な部分を切り落とし縫い直して使ってます。
このビニール製が一番圧縮空気から指を守ってくれる感じです。
確か灯油を入れるとき用の物で数百円だったと思います。
冬のエアー工具にお悩みの方、お勧めです。

2013年11月27日水曜日

土の塔

会期が終わったら写真を載せると言っていた里山アート展の作品、
とっくに終わっていたのにすっかり忘れていました。
せっかくですので全ての制作工程をまとめて記載しようと思います。

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最初に繭をモチーフに僕が提案したのはこの小さな模型です。
これをどう作るか悩んでくれたのが今回の共同制作者である元左官屋さん(以後親方)です。
そもそも彼と共同で作れると決まったことからこの土の建物を考えました。
数年前に引退していた彼は当初本業と同じような左官作業をすることを嫌がっていました。
しかし僕はどうしてもその道のプロの本気が見たくて半ば強引に話を進めてしまいました。

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まずは友人たちの力を借りて巨大な一本柱を立てました。
地中に1.5m程埋まっているので7m以上はあったでしょうか。
これを人力で立てるだけでも肉体は勿論、大変な心のテンションと技術が要ります。

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その柱を軸に荒れた竹やぶから間引いてきた竹で形を作っていきます。

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格子状に組んで補強したところまでが去年の作業でした。
そして今年、雪が溶けた春頃から何度も通って親方と二人で下塗りをしました。

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下塗りを終えた8月初旬、いよいよ上塗りです。
上塗りは下塗りと違い一気に1日で仕上げなければならないのでしっかりと準備します。

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材料は珪藻土や砂、藁などの天然素材に少しだけセメントを混ぜます。
本当は伝統的な工法の土壁に仕上げたかったのですがここは豪雪地帯です。
耐久性や安全性等の大人の事情でセメントを使わざるを得ませんでした。
全ての材料を混ぜて準備しておき、さらに親方に存分にコテを振ってもらうために
手伝ってくれた友人たちと完全に役割を決めて作業シュミレ-ションしました。

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ひたすら材料と水を混ぜる人、出来たそのネタをバケツでひたすら運び届ける人、
僕はネタを受け取ってはしごの上で親方の手元に次々補給する役でした。
ちょうどわんこそばのような要領です。

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平素危険なことが大嫌いな僕ですが制作では致し方ありません。
形状が特殊なので足場も作れず2本のハシゴだけで作業しました。

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今年で75歳、本気の親方の姿は美しく度々見とれてしまいます。
酷暑の中、不休での作業でしたがシュミレーションの甲斐もあって昼過ぎには終わりました。

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みんな汗と泥と疲れでボロボロ、しかし見事な仕上がりです。
親方は簡単そうに塗っていましたがこのスピードと仕上がりは常人ではありません。
まだまだ十分現役でいけると思いますがご本人は相当大変だったのか
「もう一度同じことやれって言われても絶対にやらない」と言っていました。

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内部は小窓から入る光が美しく異空間を作ってくれています。
都会から来る人たちがここでリセットして再び都会に舞い戻るための繭になればと願います。
永久設置ですので皆様も是非いつか訪れてみてください。

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2013年11月14日木曜日

タイトル板

急に冬の寒さがやってきましたね。
我が家の庭は今朝初霜が降りました。

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あっという間に秋が過ぎ去ってしまって、ゆっくり物思いに耽る間もありませんでした。

そんな中今日ひたちなか市のモニュメントにタイトル板を設置してきました。

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友人の書道家、竹内利映さんに書いてもらいました。
彼女の運営するサイトです。
http://wamoji.ocnk.net/
原書はもっともっといいのですがステンレス板にブラスト加工するとこのくらいが限界です。
それでもモニュメントの意図を良く理解してくれた素晴らしい文字だと思っています。

朝は辛かった冬の寒さですが、高い空と澄んだ空気は作品への映り込みを綺麗にしてくれます。

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景色との境界線は立ち昇る熱に光が屈折して出来たように見えないでしょうか?
作者の勝手な思い込みでしょうか?