2014年6月13日金曜日

個展のお知らせ

会期がおよそ一か月後となりましたので詳細をご案内させていただきます。

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イタリアから帰国して10年、
帰国後すぐに開いた銀座以来東京の画廊では10年ぶりの個展となります。
別に意識的に避けていた訳でもないのですが
各地のホテルや古民家、お寺や野外など
この10年既存の生きた環境で展示することに面白さを感じていたため
なんとなく白く四角い画廊スペースから遠ざかっていました。
大きな節目である今年、そんなことではいかんと思い開催を決意しました。

以前日韓展でもお世話になった入谷のいりや画廊さんで
材料である堆積岩そのものをイメージした空間づくりを考えています。
皆様どうぞご高覧ください。


「安部大雅 彫刻展」
7月15日(火)~26日(土) ※20日(日)は休廊です
11:30~19:30(最終日は16時まで)
レセプションパーティーは初日17時より
いりや画廊
台東区北上野2-30-2
tel:03-6802-8122


2014年5月22日木曜日

過去の作品

2か月以上もブログをお休みしていました。
7月の個展用作品制作に加え仕事であちこちへと行っていて書けませんでした。
さて、そんな中である日たまたま溝の口に宿を取ることになりました。
溝の口は7~8年前知人に頼まれて名古屋料理のお店にシャチホコを制作したことがあります。
しかしその作品の納品に行ったきりで設置後のお店すら見ていませんでした。
夜、近くに住む古い友人を呼んで一緒に食事したのですが
噂では改装工事のためにシャチホコは取り除かれたと聞いていましたし
何よりお店がどこにあったかも憶えていなかったので適当に他のお店に入りました。
2時間ほどしてそのお店を出るときにいただいたサービス券を見ていると
グループ店の中になんとなく記憶にある店の名が。
地図も付いていたのでもう少し飲もうとその店を目指しました。

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入った瞬間に見つけました。
壁に取り付けていたはずの金のシャチホコがレジ横に置かれていました。
事情を聴くと店舗拡大のための改装工事でシャチホコの付いていた壁を取り払い
これだけは取り外してお守りとしてここにこうして飾っているとのこと。
口の中にはお賽銭までされていて驚きました。
作った本人としては懐かしさと共に彫りの甘さなども反省しつつ
しかしこうして取っておいていただいたことがとても嬉しかったです。

使い捨てのような最近の店舗内装の中でも
ちゃんと作れば大切にしてもらえるんだと確信し、
また今後もどんな仕事でもしっかりやっていこうと心に誓いました。
僕が作った旨を伝えると店長さんが席までシャチホコを持ってご挨拶に来てくださいました。
木村屋本店という美味しくて雰囲気の良いお店です。
お近くの方は是非行ってみてください。

http://r.gnavi.co.jp/a616539/

2014年3月6日木曜日

ローマのトラバーチン

最近は制作ばかりでアトリエでのネタしかないのですが、石割り第三弾です。

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今回の石はベージュのトラバーチン、ローマ近郊で取れる多孔質の石灰岩です。
コロッセオやトレビの泉など、ローマの多くの建造物がこの石で出来ています。
とてもドラマチックで僕の大好きな石です。
以前赤いトラバーチンを割ったときにもブログで書きましたが

http://terramono.seesaa.net/article/299603017.html

赤色同様に真っ直ぐ割るのが少し難しい石材です。
今回は厚みもあるので慎重に、普段あまり使わないセリ矢を使います。

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ドリルで開けた穴にこの3パーツからなる矢を入れて叩いていく道具です。

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垂直を見ながら50cm厚の石材に45cmくらいずつ一列に穴を開けていきます。

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端まで開けたらこのように向きをそろえて差し込んでいき順番に叩いていきます。

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開きました。
横から見ると

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しっかり下まで割れています。
断面はこんな感じです。

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ここまでは順調ですが問題はここからです。
今度は水平方向、気泡の層と同じ向きに割っていきます。
層と同じ向きに割るのだから簡単そうに思えますが実は
気泡が多い箇所等、もろい方へ割れ目が逃げてしまい狙ったラインで割るの難しいです。
作業しやすいように石の向きを変えてありったけの道具で方向をガイドしました。

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上からセリ矢、両サイドからは平矢という初の試みで挑みます。

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一見綺麗に割れたように見えますが途中からドリル穴と違うところで割れています。

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これで数センチのロス、見越していたので問題はありませんが
そもそもロスを見越して割っている時点で負けている気がします。
まだまだ修行が足りません。

2014年2月16日日曜日

大雪のあと

2週連続の雪で週末退屈された方も多いかと思います。
ここ霞ヶ浦でも沢山降りましたが東京より随分早く雨に変わりました。
しかし台風のような横殴りの大雨で
先週に積もった雪まで溶かして庭は洪水のようでした。
普段水のない石の川も氾濫寸前まで水位が上がり

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下流を細くしたこともあって濁流と化していました。

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しかし雪が溶けてくれて一安心です。
アトリエの屋根も雪の重みでかなりしなっていたので作業中不安でした。
今朝は日の出前から空が綺麗で、晴れた一日になりそうです。
朝焼けを背景にまだ消えてない外灯を見るとやる気がみなぎるのは僕だけでしょうか?

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2014年2月6日木曜日

鳥からの贈り物

今年に入ってから7月の個展へ向けて家とアトリエの往復を繰り返しています。
まるでイタリアに居た頃のような生活で
制作がはかどる反面、社会と断絶したような不安を感じ続けなければなりません。
そんなある日の朝、カバーをし忘れた制作中の作品に鳥がフンをしていました。

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ここは自然豊かで沢山の鳥がいるので年に数回は被害に遭います。
大理石は吸水性が高く油や色のある液体が付いたら即処理しないと大変です。
怪我をしたときも傷よりまず石に血が付いてないかを心配します。
このフンは付着してから数時間は経っているようで
表面を少し磨いたくらいでは取れないほど色が入っていました。
ひとしきりそこらの鳥に文句を言ったら、あきらめて作品の形を変えるしかありません。

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いったい何を食べているのか、5mmほど削ってもまだまだ緑色が出てきます。
悪態をつきながらもフンに導かれるままに削っていきました。

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まあ、今回は鳥に感謝してもいいかもしれません。
自分ではやろうとも思わなかったであろうアクセントになりました。

2014年1月13日月曜日

新年

明けましておめでとうございます。
皆様本年もどうぞよろしくお願いいたします。
僕もとうとう今年で40歳、帰国して10年、
大きな節目の年と思い7月に久々の東京個展を開くことに決めました。
近くなりましたらまた詳細をお知らせいたします。
よろしくお願いします。

しかし寒いですね!!
夏は暑い暑いと連呼し、冬は寒い寒いと言って回る自分が愚かしいですが
最近ここかすみがうら市は本当に寒いです。
僕は石の仕事を屋外の北側の日陰で行います。
直射日光で石の形が見えにくくなるのを嫌ってなのですが
日の届かない北面の寒さは瞬時に手先の感覚を奪っていきます。
特にエアーの工具は圧縮空気でボディーが凍り手袋がへばり付くほどです。
昔の石の彫刻家はそれでよく凍傷になっていたそうです。
そんな訳でこの冬2つのニューアイテムを導入しました。

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一つ目は廃材を利用して自作した焼却炉です。
薪は山ほどあるので燃やして時折手をかざしてます。

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2つ目はミトンです。
各指が独立した手袋ではどんなに分厚くても凍えた指が再加熱しません。
作業しやすいように指ギリギリまで余計な部分を切り落とし縫い直して使ってます。
このビニール製が一番圧縮空気から指を守ってくれる感じです。
確か灯油を入れるとき用の物で数百円だったと思います。
冬のエアー工具にお悩みの方、お勧めです。